最近の天気と私は情緒が揺れがち。雨は苦手な雨女である。

「雨女」なんてくだらないかもしれないが、晴れ予報なのに外を出ると急に雨が降り出し、
建物に入ったとたん止む……なんて現象があまりに多い。

もしかしたら、自分は雨を操る能力でもあるんじゃないかと考える方が楽しい。
でもやっぱり雨は苦手だ。

そんなちょっぴり不思議な日常の中ふと、「もっと世界を広げてみよう」と思い最近始めたのが
読書である。

昨今では電子書籍が主流かもしれないが、私は紙を1ページ1ページめくり読み進めていく感覚が好きだ。

そんな私が出会ったのが、日本のミステリー文学を切り拓いた作家――江戸川乱歩である。


江戸川乱歩とは?

江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)は、大正~昭和初期に活躍した推理作家。
『二銭銅貨』『D坂の殺人事件』『少年探偵団』シリーズなど、数々の名作を生み出し、日本に探偵小説というジャンルを根づかせた人物でもある。


江戸川乱歩の魅力

乱歩作品の魅力は、トリックや意外な結末だけではない。
彼の真骨頂は、独特で幻想的な世界観と表現力にある。

例えるなら、彼の物語はただ「読む」のではなく、「迷い込む」もの。言葉のひとつひとつが異世界への入り口のようで、古風で時に難解な語りも、その幻想に深みを与えてくれる。初めは戸惑うかもしれないが、気づけばその世界の虜になっている。


初心者や時間がない人におすすめの一作

数億年ぶりの読書に乱歩は少々ハードルが高い……そんな人にこそおすすめなのが短編作品。少ないもので5ページ、多くて40ページほどであり、5分~15分もあれば読める。忙しい社会人にピッタリなのだ。
その中でも、『火星の運河』は、幻想と美しさが凝縮された小宇宙のような一作で、まるで美術館の中を歩いているかのようにさえ感じられる。

コーヒー片手に江戸川乱歩。短編作品がここに詰まっている。

古本もコーヒーもなんて深い味わいなんだろう。


『火星の運河』あらすじ

舞台は夢の中。主人公は終わりのない森を彷徨い、出口もわからず、ただその景色に翻弄される。
しかしその世界は、恐ろしくも美しい。普通、言葉では説明しきれないような感覚の奔流が、ページを通じて押し寄せてくる。以下は冒頭である。


又あすこへ来たなという、寒い様な魅力が私を戦(おのの)かせた。にぶ色の暗(やみ)が私の全世界を覆いつくしていた。恐らくは音も匂(におい)も、触覚さえもが私の身体(からだ)から蒸発して了(しま)って、煉羊羹(ねりようかん)の濃(こまや)かに澱(よど)んだ色彩ばかりが、私のまわりを包んでいた。……

(江戸川乱歩『火星の運河』より)


いかがだろうか。物語の初めから広がるこの世界観に、あなたも気づいたら引き込まれてしまうはず。


最後に

子供の頃に歴史を学ぶように、大人になっても先人から何かを学ぶことは、凝り固まった脳にきっといい刺激になる。

今回は江戸川乱歩の魅力を「幻想的な表現力」という視点から紹介した。
だが彼の真価はそれだけではない。緻密な論理、奇想天外な結末、時にはグロテスクな描写を通して、読者をあっと驚かせてきた。

今読んでも決して色あせない彼の作品。
時代を超えて、心をざわつかせる何かを、あなたもぜひ味わってみてほしい。



――実は江戸川乱歩の作品は複数、青空文庫で公開されています。短編作品もいくつか読めますよ!

作家別作品リスト:No.1779 江戸川乱歩(青空文庫より)

>>https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1779.html


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